高校卒業後の進路に歯科衛生士専門(養成)学校を目指すなら、私は最良の選択だと思います。
もちろん、何か手に職を付けたいと思ている休職中の方や、失業に困らない職業に就きたいと思っているフリーターの方にもお勧めだと思います。
何しろ、各学校の就職率は90%以上あります。
就職率100%の学校も珍しいことではなく、いかに多くの歯科医院が歯科衛生士を必要としているか分かりますよね。
資格さえ持っていれば、結婚・出産・育児などで離職していたとしても、働きたいと思った時点で直ぐ再就職できると思います。
そんな不況知らずの「守り神」とも言える歯科衛生士の国家資格。
でも、歯科衛生士になるためには何が必要なのか、具体的な事が分からなければ検討できませんよね?
今回は、歯科衛生士になるための準備や試験内容と、資格を取るまでの工程を記事にいたしました。
もし、あなたも取得したいと思われたのなら、続きの記事を読んでいただき「ご自身を適正」してください。
歯科衛生士になるための大前提は、専門養成学校に入学して必要な実習と課程を終え卒業する事です。
卒業資格を得ることで、国家試験を受験することができ、合格すれば晴れて「歯科衛生士」として働くことができます。
それでは、専門養成学校について「費用」や「奨学制度」について説明いたします。
歯科衛生士専門学校の費用とサポート制度
歯科衛生士になるための専門養成学校は、日本全国に約170校あります。
そのうち、約10校は夜間学部も併設しているので、アルバイトなどで学費を稼ぎながら通っている人も多くいます。
平成22年4月1日からは、全ての専門学校が「3年制以上」になりました。
費用は?
入学金や授業料と、授業に必要な教材と実習費を合計すると、3年間で約350万円も必要になる学校もあります。
それ以外にも、通学に必要な定期代や昼食代なども考えると、気軽に通える学校ではないですよね。
そこで!
絶対に確認しておくことが!!
学費免除とサポート制度
各都道府県や市町村により異なりますが、専門学校には様々な「給付金制度」があります。
申請が通過すれば「返済不要」で給付される、とっても有難い制度です。
受給資格や申請方法が難しくて諦めるなんて勿体ない!
分からない事は、下記のリンクから何度でも問い合わせてください。
給付奨学金
独立行政法人日本学生支援機構が対象としている専門学校では、世帯収納の基準を満たすことで入学金や授業料が免除もしくは減額されます。
自宅から通う場合は最大で約45万円、自宅外通学は約90万円が給付されます。(夜間学部も同額)
もちろん、卒業後に返済する必要もないので、活用できるか絶対に確認しておくべきです。
教育訓練給付金制度
説明が難しいので簡単にまとめると、2年以上雇用保険に加入していた人が対象となります。
新たな資格や技術を学ぶために掛かる費用の一部を、厚生労働省が年間最大40万円を給付する返済不要の制度です。
教育訓練給付金の支給申請は、お住まいを管轄するハローワークで受付しています。
それ以外にも、学校独自の入学金免除制度もあると思います。
学生ローン
日本学生支援機構は、無利子でも借りられますが返済が必要です。
どうしても学費が工面できない時の「最終手段」として検討してください。
4年制は避けよう
早く卒業して、早く資格を取り、早く働きたいと思う方は3年制を選びましょう。
当然の事ながら、3年制よりも1年長く通うため、授業料は1年分(80万から100万円)多く払う必要があります。
国公立なら4年制でも学費は安く抑えられますが・・・
最大のデメリットは、入試「5科目」に加えて、小論文と面接などがあるので、かなりの難関です。
4年制のメリット
他の資格(保育士・養護教諭免許・歯科医療事務管理士・ホームヘルパー・食生活アドバイザーなど)を取るための、選択授業やカリキュラムを組んでいる学校が多くあります。
学費を抑える秘策?
冒頭で3年間の合計費用が350万円以上掛かると書きましたが、逆に3年総額270万円で通える学校もあります。
もし、自宅から通える専門学校が無く一人暮らしを前提にしているなら、学費の安い遠方を探するのも方法ではないでしょうか?
もちろん、一人暮らしや下宿でも給付奨学金の受給資格は消えませんのでご安心ください。
ごく一部ではありますが、校区周辺の不動産会社と提携して一般よりも安く入居できたり、学校が所有しているマンションや学生寮を利用できる学校もあります。
さらに、もう一つ!
ごく少数ですが、「特待生制度」を設けている学校もあります。
入学時や在学中に学業成績、人間性などが優れている生徒に対して、学費等の免除が受けられます。
入試対策に準備しておくことは?試験内容とは?
あなたが通いたいと思う学校は見つかりましたか?
学費などの問題もありますが、通学するなら自宅から一番近い学校は絶対に候補に入れておきましょう。
3年後に訪れる就職活動では、書類選考と適性検査が採用判断となるため、待遇の良い医院に就職したいなら「無遅刻無欠席」を目標にしましょう。
就職の前に、まずは入試でしたね!
試験内容は難しいのかな?
高校卒業後の進路として受験するなら、
選抜型(AO入試)か、推薦入試がほとんどだと思います。
選抜型 AO入試とは?
医療従事者になるための「適性検査」や「面接」を行い、学力テスト無しで入学が決まります。
推薦入試とは?
適正に満たしている生徒を高校側から専門学校に推薦し、「作文」や「面接」と「書類選考」で入学が決まります。
私と同じように、社会人になってから受験する人は「一般入試」になります。
一般入試とは?
私が受験した学校は、作文と面接だけでしたが、小論文や国語(語学能力)の筆記試験が行われる学校もあるらしいです。
もちろん、試験内容は事前に知ることができますので、確認して対策をしておきましょうね!
入試は「年一回」だけじゃない
学校のホームページには、入試に関する案内が告知されます。
【全国の専門養成学校一覧はコチラをご覧ください】
全国の学校を調べたわけではないのですが、私の知る多くの専門学校では年5回以上の入試日が設けられています。
「この専門学校に、何が何でも入学する」と決めている方は、早め早めに行動しましょう。
専門学校のホームページを確認することで、「AO入試」「推薦入試」の出願条件なども公表されますので、いち早く情報を入手し準備を整えましょう。
仮に、年7回の入試を予定している学校も、途中で採用予定人数(定員)に達したら、以後の入試は中止となる場合があります。
入試スケジュールは、春から学校見学や体験入学が募集され、9月頃から1回目の入試が始まります。
早ければ9月末には「合格通知」が届くかもしれませんよ。
国公立の入試について!
国公立の推薦入試は、秋頃に「一発勝負」の受験になると思います。
先に書きました通りに、入試5科目・論文・面接などの受験対策も必要です。
多くは、夏前に説明会や体験入学を実施し、1回限りの入学試験が行われるので、国公立を目指す人は日程に十分注意してください!
一般入試は、年明け早々に1度だけ行われると思います。
専門学校と違って、定員割れすることは無いと思いますので、しっかりと試験内容を確認し対策しましょう!
定員割れしない理由は?
それは、入学金や授業料が安いからです。
多くの3年制専門学校と比べて、100万円程度安いと思います。
試験に合格したらどうする?
まずは、喜んでください(^▽^)/
そして、合格通知書に書かれている期日までに指定された「入学金」や「授業料」を収めてください。
入学を辞退すれば全額返金の対応をしてもらえる学校もありますので、複数の学校を受験する際には「合格」も「お金」も無駄にならないように確認しましょうね。
試験に落ちたらどうする?
「AO入試」「推薦入試」で不合格になった方でも、「一般入試」を受ける権利はあります。
やる気とチャンスがある限り、何度でも挑戦してください。
ただし、受験料は払わないといけませんが( ;∀;)
受験料は安い学校で1万円、高い学校では2万円以上します。
入学までに準備することは?
特にないと思います。
早く歯科業界に携わり、学校では優等生を目指すのであれば、歯科助手のアルバイトを探すのも良いかもしれませんが・・・?
歯科助手は未経験者でも募集しています。
面接で「春から●●専門学校に進学します」と言えば採用されるかも知れませんが、歯科医院は忙しいのが当たり前です。
無理なシフトを入れられたり、患者に強く当たられて歯科業界で働くことが嫌にならないようにしてくださいね。
3年間の授業と実習が終われば
入学後、歯科衛生士になるための専門知識を3年かけて習得します。
基礎分野では、生物学、化学、心理学、社会福祉介護論、人間関係論、健康学、法学などを。
専門基礎分野では、解剖学(組織・発生)、生理学、生化学、口腔解剖学(組織・解剖・歯牙解剖学)、口腔生理学、口腔生化学(摂食・嚥下機能)、病理学、口腔病理学、微生物学、口腔微生物学、薬理学、歯科薬理学(服薬指導)、口腔衛生学、歯科衛生統計学、衛生学などを。
まだまだ一部です・・・。
そして、
3年生になると、何故か?
国家試験を受ける前に就職活動が始まります。
資格が取れるか分からないのに、就活するんだ?
「就職が決まっても、国家試験に落ちたら」って思いますよね?
多くの学生は、9月頃から学校に貼り出される求人票を見て応募することになります。
もちろん、条件の良い求人を自ら探して就活する生徒もたくさんいましたよ。
早ければ10月に内定をもらう人もいましたし、多くの生徒は年内までに就職先が決まっています。
そこで、先ほどの質問にお答えしますと!
就職先からの内定条件に「試験不合格なら内定取り消し」みたいな文言が書かれていれば、残念ですが諦めましょう。
ただ、多くの歯科医院では「不合格時は歯科助手として採用」などの措置もあります。
万一、そうなったとしても一年間を無駄にず、働きながら勉強してください。
国家試験の合格発表より先に卒業式
卒業する年の1月に国家試験の願書を提出します。
この頃は実習も終わっているので、学校では国家試験合格のための補講ばかりでした。
同じ時期に卒業試験も行われるのですが、国家試験の勉強をしている最中、もはや難しくも怖くも無かったです。
そして、3月初旬に試験を受け、合格発表の前に卒業式が行われます。
試験に合格すると、厚生労働大臣が歯科衛生士名簿に登録し、免許証が与えられます。
早ければ、合格発表の翌日には「合格通知」ハガキが届きます。
晴れて「あなたも歯科衛生士」です。
内定から採用に
今でもあるのか分かりませんが、就職が決まった時点では「内定」をもらいます。
仮契約みたいなものでしょうか?
そして、無事に国家試験に合格したことを就職先に連絡すると、数日後に「採用通知」が届きます。
少し前に書きました通りに、不合格だと「内定取り消し」通知が届くこともあるらしいですね。
そうならないためにも、3年間一生懸命に学んでくださいね。
歯科衛生士を目指す前に読んでください
決して「安い学費」で通える学校ではありません。
奨学金を受給できたとしても、不足分は両親に負担してもらうと思います。
安易な気持ちで進学しても、授業が退屈で苦痛に感じると不登校になり落ちこぼれてしまいます。
そんな事では勿体ない!
資格を取り、歯科業界で働きたいと思う人に進んで欲しいと願います。
最後に
今回書かせていただきました記事内容は、あくまでも「私の体験談」です。
記事を書くにあたって最新の情報を確認するために、複数の専門学校や日本歯科衛生士会のホームページを確認しましたが、記事内容は参考程度にご覧ください。
最新の情報は、必ず受験を検討する専門学校に直接お問い合わせください。
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