「3年生の秋」と言えば?
歯科衛生士を目指す学生さんにとっては、就職活動の真っ最中でしょうか?
私も数年前に経験しました。
学校には好条件・高待遇な求人票が貼り出され、皆でワイワイ騒ぎながら履歴書を書きました。
ですが・・・
3年生になってから始めた歯科助手のアルバイト。
複雑な人間関係や極めてグレーなセクハラなどを、見たり聞いたり目の当たりにしていると、こんな環境を週5日間フルタイムで働くことは無理かな?と感じてしまい、就活は途中で止めてしまいました。
でも、後悔は無かったですよ。
むしろ、就職前に裏側を知ることができて助かったと思いました。
実際の職場環境は、たった1枚の求人票だけでは分からないですよね?
今回は、歯科衛生士の求人募集が多い理由と、自分に合った職場を見つけるための方法を書きたいと思います。
いつの日も、歯科衛生士は人手不足
まずは、一般財団法人 全国歯科衛生士教育協議会が発表する、養成学校卒業対象者を元にした数値をご覧ください。
平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
---|---|---|---|---|---|
卒業者数 | 6,968 | 6,922 | 6,752 | 6,978 | 7,162 |
就職者数 | 6,517 | 6,298 | 6,182 | 6,377 | 6,371 |
求人件数 | 79,968 | 79,319 | 7,444 | 86,505 | 88,740 |
求人人数 | 131,621 | 130,155 | 119,994 | 144,203 | 148,289 |
求人数倍率 | 20.2% | 20.7% | 19.4% | 22.6% | 23.3% |
令和4年度(令和5年3月)の専門・養成学校卒業者【7,162人】に対して、求人人数は【148,289人】でした。
- 求人件数:88,740件
- 求人人数:148,289人
計算するのが恐ろしくなるほど、歯科衛生士の不足が分かりますよね。
ただ、新卒の採用者は数ヶ月で退職してしまう事を予測して、多めに募集している医院がほとんどだと思うので、必要最低人数とは異なると思いますが・・・。
何故、ここまで人手不足になってしまったのか?
大前提として!
歯科衛生士は「女性が活躍する」職業です。
言い換えれば、男性は「活躍できない」職業でもあります。
ですが、女性は結婚や出産のタイミングで退職し、短期間で復帰する人は少ないです。
たとえ、子どもが幼稚園に預けられる年齢になったとしても、働らく時間が午前中だけなら歯科医院にこだわらず近所で他の仕事を探すと思います。
子どもが中学生になるタイミングで正社員として復帰したとしても、ブランクが長すぎて今の技術に追いつけず辞めてしまう人も多いと聞いています。
待遇は昔と変わらず
女性に頼り切りな職業でありながら、初任給は他の職業よりも安い傾向にあり、35歳の平均月収は約26万円。
最近の求人票を見ていても、待遇や雇用保険などは一般企業と比べて、充実しているとは思えないですよね。
失礼な言い方をすれば、昔ながらの歯科医院は「治療」や「設備」だけでなく、「雇用」に対する考え方も老朽化しているのだと思いました。
募集に見る高待遇は怪しいの?
歯科医院は「必要最低人数」を確保できなければ、1日に受ける患者の人数を減らすこともあり、結果的に売上を落とす事にもなります。
そうならないためにも、魅力的な条件が並ぶ求人を見ることがありますよね。
初任給21万円、休憩75分、賞与年2回、昇給制度、最新設備、駅から徒歩5分、完全週休二日制、有給制度、社会保険や福利厚生も満足できる求人票を見て、あなたは応募しますか?
それとも、怪しいと思いますか?
私は社会人を経て専門学校に入学したので、大学時代に就職活動を経験してきました。
一般企業では当たり前の待遇でも、歯科業界では異例の高待遇に見えてしまいます。
怪しいのではなく、今の時代では「当たり前」だと思ってください。
歯科衛生士の切り札は「転職」?
好条件を求めて「転職」を繰り返している人は多いと思います。
就活中の学生さんも、就職してから「理想と違えば転職すれば良い」なんて思っていませんか?
3年間で2回以上の転職歴がある人は、「あなた自身」を見直しましょう。
長続きしないのは、勤めている医院に原因があると思わず、あなた自身の働き方や対人に問題があるのでは?と少しだけ考えてください。
たとえ、「私は違う」「私は大丈夫」と思っても、今後の再就職活動・転職活動に大きく影響するはずです。
書類選考で不採用となったり、面接を受けても「辞めた理由」だけでなく「続かない理由」などを聞かれ、先方が納得できる説明はできますか?
職務経歴書に嘘を書いても、直ぐにバレます。
それどころか、有印私文書偽造罪(刑法第159条第1項)に問われますので、絶対にしないでくださいね。
今の職場や、これから働く職場が嫌になり転職を考えても、最低2年間は我慢して続けましょう。
その2年間で良いところが見えてくるかも知れませんし、あなた自身が成長することで「任せられる仕事内容」も変わり、職場が好きになるかも知れないですよ。
嫌な先輩がいても、先に辞めていくかも知れませんしね!
働きやすい歯科医院の見分け方は?
セクハラやパワハラ、人間関係や待遇の悪さなど、辞めたくなる理由は幾らでもありますよね。
たとえ好条件・高待遇の求人を見つけたとしても、セクハラやパワハラの無い医院かどうかは分かりません。
では、どうしたら「働き続けることができる歯科医院」を見つけられるのか?
あくまで「自論」ですが・・・
それは、
「歯科衛生士の募集をしていない医院」です。
どういう意味?
スタッフの事を大事に思う医院で働いていると、転職なんて考えない。
当然、辞める人がいなければ募集する必要もない。
そんな医院で働きたいと思いませんか?
「募集」していない医院に、
「応募」は出来ないと思います。
そうですよね!
でも、歯科医院って年中募集しているイメージありませんか?
この歯科医院に働いてみたいけど「募集していないなぁ」「諦めよう」と思うのではなく、思い切って電話してみてはどうでしょうか?
たった数分間、勇気を出して電話することで、面接してもらえるかも知れませんよ。
「人材は足りているから」と断られる可能性は高いかもしれませんが、「スタッフを増やすことで1日の受け入れ患者も増やそう」と考えてもらえるなら、望みはあると思います。
実際に、私の年下の同期は「この作戦」で地元の歯科医院に転職できました。
「あの時、勇気を出して電話して良かった」
と今でも言っています。
あまり大きな声で言えないのですが・・・
この方法は、人材紹介に代行してもらえます。
えっ、そうなの?
特に歯科業界に特化した人材紹介会社に依頼すれば、「無料」で代行してもらえると思います。
ですが、もちろん「無料には訳」があります。
その「訳」とは・・・
実は、
人材紹介(経営者)から直接聞いた奥深い話なので、私のブログに書いても大丈夫か確認して「OK」なら今後の記事に書きたいと思います。
まとめ:歯科衛生士として就活する学生さんのために
私は登録派遣型アルバイトで歯科医院に勤めているので、あまり偉そうに発言できないのですが・・・。
ですが、私の周りには、医療に特化した派遣紹介や人材紹介の経営者が数人いるので、よく話をしていますし就職や転職の現状について無知だとは思っていません。
学校卒業後、初めて働く歯科医院には「特別の思い」が生まれると思います。
技術的な心配事は、自分自身の成長で解消され、セクハラやパワハラなど人間的な心配事は我慢せず身近な人に相談しましょう。
勇気を持てば乗り切れることも沢山あります。
努力も我慢もせず「転職を繰り返す」ことはオススメしません。
それでもダメだと感じた時は「転職」を考えましょう。
転職は、あなたの「その後の人生」や「生活」を一変させるかも知れませんが、転職を繰り返すことは「あなたの評価を下げる」負の代償だと思います。
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