最近、InstagramやYouTubeでは、AIで作成したLINEスタンプや画像を販売し、「本業以上の収入になった」「販売だけで生活している」と語る動画をよく見かけます。
なかでも、「毎日が給料日」と謳う再生回数目当てのタイトルを付けられた動画も目にします。
実際に数字を見ると夢のある話に聞こえますが、気になったので販売の仕組みを調べてみました。
すると、動画ではほとんど触れられていない手数料や利用規約の存在が見えてきたのです。
特にLINEスタンプの取り分とShutterstockの利用条件を確認すると、私が最初に抱いていたイメージとはかなり違っていました。
LINEスタンプは毎日何個売ればいいのか
LINEスタンプは8個入り120円から販売できます。
ところが、120円がそのままクリエイター(出品者)の取り分になるわけではありません。
LINEクリエイターズマーケットでは、App StoreやGoogle Playの手数料30%が差し引かれ、その残額の50%がクリエイターへ支払われる仕組みです。
つまり、120円のスタンプが1個売れても実際の取り分は約42円になります。
では、「毎日が給料日」と呼べる状態を数字で計算してみましょう。
仮に1日10万円を受け取りたい場合、42円で割ると約2,381個の販売が必要になります。
毎日2,381人がスタンプを購入し続ける計算です。
もちろん、大手企業のキャラクターや有名クリエイターなら実現できる可能性があります。
しかし、一般の個人クリエイターが継続して達成するには非常に高すぎるハードルがあるのも事実です。
動画では売上金額だけが語られますが、実際に手元へ残る金額まで確認することが大切です。
偶然見つけた歯科衛生士スタンプです。
今回の記事とは全く関係ありません。
Shutterstock動画で語られない事実
一方で、Shutterstockを利用した画像販売の動画もよく見かけます。
動画では、AIで作成した画像を投稿し、高額な入金実績を公開するケースが少なくありません。
実際に販売だけで生活している、会社員時代の給料を超えたと語る発信も見受けられます。
しかし、利用規約を確認してみると気になる記載がありました。
Shutterstockでは、寄稿者がAIで生成したコンテンツをライセンス取得用として提出することを認めていません。
さらに、自分で撮影した写真であっても、AIによる背景の付け足しや修正を行った画像は投稿対象として認められていません。
もちろん、「AI生成」のタグを付ければ販売できるという事実もありません。
そのため、「AIで画像を作る」「AIで写真を加工する」「AI生成と表示して投稿する」という方法で販売できると考えるのは危険です。
少なくとも、SNSで語られているような「AI画像を大量に作ってShutterstockへ投稿するだけ」という流れは、利用規約を確認すると成立しないことが分かります。
もし投稿できないのであれば、販売価格や入金額を語る以前の問題になります。
LINEスタンプの場合は販売数が課題になりますが、Shutterstockの場合は投稿条件そのものを確認する必要があります。
そのため、SNSで見かける数字だけを見るのではなく、まずは公式ルールを確認したいところです。
SNS動画は数字だけで判断しない
今回調べたLINEスタンプ販売とShutterstock販売以外にも、SNSではさまざまなAI活用ビジネスが紹介されています。
その中でよく見かけるのが、「AIで作った電子書籍を販売するだけ」という発信です。
AIへ指示を出して文章を作成し、電子書籍として公開することで継続的な収入が得られるという内容ですが、実際には購入者に選ばれる内容でなければ販売は続きません。
LINEスタンプも同じです。
「作成すること」と「売れること」は全くの別問題!
Shutterstockも同様で、利用規約を満たしていなければ販売以前の段階で止まってしまいます。
どの方法にも共通しているのは、「AIを使った」という部分ではなく、その先にある販売条件や利用ルール、購入者から選ばれる仕組みです。
SNS動画では結果だけが目立ちますが、その数字が生まれるまでの条件まで確認することが大切です。
まとめ
LINEスタンプ販売は可能ですが、動画で見かけるような金額を継続的に得るためには非常に多くの販売数が必要です。
また、Shutterstockについては利用規約を理解せずに動画の内容と根拠のない結果だけを信じると、実行できない方法を参考にしてしまう可能性があります。
SNSの情報は参考になりますが、最終的には公式ルールと数字を確認することが重要です。



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